貫通動脈 ( 大腿深動脈の枝 ) ( かんつうどうみゃく、英 :perforating arteries

 

 ・ 概 要
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 ・ 参考となるサイト Wikipedia 、 イラスト掲載サイト

 

 

 貫通動脈 とは

  

  以下は大腿深動脈の枝を簡単に表したものとなる。

  

  

  

 ※ 大腿深動脈から分岐する貫通動脈が3本あり、プラスして大腿深動脈の先端が他の3本の貫通動脈と同じように大内転筋を貫通して大腿の後面に至ることになる。つまり、大内転筋を貫通して大腿の後面に至る動脈は全部で4本ということになるが、最後のものを「第4貫通動脈」とはあまり呼ばれないような気がする。

船戸和弥のHP 」に以下のような解説文が見られる。

「 貫通動脈は通常3本あって、これらを上方から順に第1、第2、第3貫通動脈とよび、後者は大腿深動脈の終枝にあたる。」

 この解説の「 後者 」というのは「 第3貫通動脈 」のことだと思われるが、そうなると大腿深動脈から「 分岐する 」という意味では2本だけということになるのだろうか?

  

 

 

 

 

 

 以下は、「Wikipedia」と「船戸和也のHP」を参考にして作成した、各貫通動脈の主な特徴となる。

第1貫通動脈

・ 貫通動脈の中で最も太い。( 船戸和也のHP )

 ※ Wikipediaには「第2の方が大きい」との解説がある。

・ 大腿骨に対する栄養動脈を分岐 ⇒ 上大腿骨栄養動脈

 経 過 : 短内転筋を貫通 ⇒ 大・小内転筋間を通過 ⇒ 大腿後面へ

第1貫通動脈はもっとも太く、短内転筋を貫き、次いで大内転筋(狭義)と小内転筋の間を経て大腿後面に出て、十字吻合をつくる。また大腿骨に対する栄養動脈を分岐する

 分 布 : 短・大内転筋、大腿二頭筋、大殿筋 ( Wikipedia )

 吻 合 : 下殿動脈、内側・外側大腿回旋動脈、第2貫通動脈 ( Wikipedia )

第2貫通動脈

・ 第1貫通動脈よりも大きい。

 ※「 船戸和也のHP 」には「 第1貫通動脈が最も太い 」との解説が見られる。

・ 短・大内転筋の腱を貫通して上行枝と下行枝に分かれる。

・ 通常、大腿骨への栄養動脈が第2貫通動脈から1本起こるが、貫通動脈から起こる栄養動脈が2本ある場合、普通は第1および第3貫通動脈からとなる。

 ※ 栄養動脈が2本の場合、「 日本人体解剖学 」では上のものを上大腿骨栄養動脈、そして下のものを下大腿骨栄養動脈としている。

 分 布 : 大腿後面の筋群

 吻 合 : 第1 / 第3貫通動脈

第3貫通動脈

 以下は全て「 Wikipedia 」の解説を参考にしたものとなる。

・ 短内転筋の下部より分岐する。

・ 大内転筋を貫通して数枝に分岐し、大腿後面の筋群に分布する。

 吻 合 : 上部の貫通動脈、大腿深動脈の最枝、膝窩動脈の筋枝

・ 第1貫通動脈から大腿骨への栄養動脈が分岐する場合、第3貫通動脈からも栄養動脈が分岐する。

 

 「 プロメテウス解剖学アトラス 」には以下のような解説文が見られる。

「 一般に、貫通動脈は短内転筋の上下、および(内転筋)腱裂孔の直上で内転筋群を貫通する。大腿深動脈の起始部より近位で大腿動脈を結索しても重篤な虚血とならないのは、内腸骨動脈の分枝(上殿動脈と閉鎖動脈)からの良好な側副血行路による。」

 

  

 「 日本人体解剖学 」では第1貫通動脈から出る栄養動脈を 上大腿骨栄養動脈、そして第3貫通動脈から出る栄養動脈を 下大腿骨栄養動脈 としている。

 ・「 大腿骨への栄養動脈が1本のみの場合は第2貫通動脈から起こる 」 (Wikipedia )

  

 

 以下は「 Wikipedia 」の解説文となる。

「 The perforating arteries, usually three in number, are so named because they perforate the tendon of the Adductor magnus to reach the back of the thigh.
They pass backward close to the linea aspera of the femur under cover of small tendinous arches in the muscle.
The first is given off above the Adductor brevis, the second in front of that muscle, and the third immediately below it.
■ First ■
The first perforating artery (a. perforans prima) passes posteriorly between the Pectineus and Adductor brevis (sometimes it perforates the latter); it then pierces the Adductor magnus close to the linea aspera.
It gives branches to the Adductores brevis and magnus, Biceps femoris, and Gluteus maximus, and anastomoses with the inferior gluteal, medial and lateral femoral circumflex and second perforating arteries.

【 語 句 】

Adductor magnus : 大内転筋   ・ thigh : 大腿  ・ linea aspera : 骨粗線   ・ femur : 大腿骨 ・ Adductor brevis : 短内転筋   ・ Pectineus : 恥骨筋  ・ pierce : 貫通する   ・ Biceps femoris : 大腿二頭筋  ・ Gluteus maximus : 大殿筋   ・ anastomoses with ~ : ~ と吻合する  ・ inferior gluteal artery : 下殿動脈   ・ lateral femoral circumflex artery : 外側大腿回旋動脈 

 

■ Second ■

 The second perforating artery (a. perforans secunda), larger than the first, pierces the tendons of the Adductores brevis and magnus, and divides into ascending and descending branches, which supply the posterior femoral muscles, anastomosing with the first and third perforating.
The second artery frequently arises in common with the first.
The nutrient artery of the femur is usually given off from the second perforating artery ; when two nutrient arteries exist, they usually spring from the first and third perforating vessels.

■ Third / fourth ■

The third perforating artery ( a. perforans tertia ) is given off below the Adductor brevis ; it pierces the Adductor magnus, and divides into branches which supply the posterior femoral muscles ; anastomosing above with the higher perforating arteries, and below with the terminal branches of the profunda and the muscular branches of the popliteal.
The nutrient artery of the femur may arise from this branch.
The termination of the profunda artery, already described, is sometimes termed the fourth perforating artery of Elliott after the anatomist who first dissected its course.」

【 語 句 】

nutrient artery : 栄養動脈   ・ popliteal (artery) : 膝窩動脈

 

【 イラスト掲載サイト 】

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