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・ 参考となるサイト
顔面神経は
以下は顔面神経が神経系の中でどの位置にいるかを簡単に示した図となる。
「船戸和弥のホームページ」には以下のような解説文が見られる。 「狭義の顔面神経と中間神経とを合わせたもので、混合神経である。」 脳神経の一般的な分類の仕方として、「頭部の特殊感覚を支配する神経」、「体性運動神経」、そして「鰓弓(性)神経」の3種類があるが、顔面神経は運動性の神経線維、知覚性の神経線維、および副交感性の神経線維の混合よりなる「鰓弓(性)神経」となる。 「日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。 「運動性の神経線維(固有顔面神経)は顔面神経の主部となり、顔面の表層の筋(表情筋)に分布する。一部は知覚性並びに副交感性の神経線維よりなる中間神経で、…」
以下の解説は「日本人体解剖学 (上巻) 」に記載されているものを簡潔および箇条書きにしたものとなる。 ■ 運動性の神経線維 ■ ・中心前回下部の錐体細胞から起こった線維(一次ニューロン)は顔面神経核に入り、その細胞と連絡する。 ・顔面神経核からの線維(二次ニューロン)は、初め後(背)方に進む。(第一部) ・そして、外転神経核を回って、顔面神経膝いわゆる内膝を作る。 ・次に再び外腹側におり(第二部)、内耳神経の内側で橋と(延髄) 錐体の間から脳幹を出る。
■ 中間神経の神経線維 ■ 【 知覚性の線維 】 ・膝神経節から起こって孤束核前端部に終わる。 【 副交感性の神経線維 】 ・網様体内の上唾液核からおこる。
以下の解説は「日本人体解剖学 (上巻) 」に記載されているものを簡潔および箇条書きにしたものとなる。 ・脳幹を出た顔面神経は内耳神経と共に内耳道に入る。 ・内耳道を前外側に向かって走り、内耳道底に至る。 ・内耳神経からわかれ、横稜の上にある顔面神経管入口を通って顔面神経管に入る。 ・顔面神経管内を大錐体神経管裂孔までまっすぐに外側前方に走る。 ・そして、直角に後外側下方に曲がり(顔面神経膝)、ついで垂直に下行して茎乳突孔から外頭蓋底に出る。 ※ 顔面神経膝には膝神経節(中間神経に属する)がある。 ・茎乳突孔を出た運動性の神経(固有顔面神経)は 耳下腺の中で耳下腺神経叢を形成し、表情筋を始めその他の筋に分布する。(耳下腺には繊維を送らない) ⇒ 表情筋、その他として蓋表筋、耳介筋、頬筋、アブミ骨筋、茎突舌骨筋および顎二腹筋後腹、広頚筋など。
■ 中間神経 ■ 「日本人体解剖学 (上巻) 」では以下のように解説している。 「中間神経は、上記の運動性の神経線維(固有顔面神経)とは別に知覚性の神経線維が膝神経節中の神経細胞から末梢性に起始したものである。すなわち、膝神経節の神経細胞は偽単極性で、1本の軸索突起が分かれて末梢枝および中枢枝の2枝となり、中枢枝は運動性の神経線維(顔面固有神経)とともに内耳道をへて脳に入り延髄孤束核に至り、末梢枝は顎下腺・舌下腺に対する副交感性の分泌線維とともに、いわゆる鼓索神経をつくる。鼓索神経は舌神経に合流し、舌神経に舌の味覚線維を、顎下腺および舌下腺に副交感性の分泌線維を送っている(一般に、顔面神経と呼ぶ場合には、中間神経も含まれる)。」
顔面神経の枝は以下のように大きく3つの部に分けることができる。 ■ 顔面神経管の通過中に出る枝 ■ 顔面神経が顔面神経管を通過中に出す枝は以下の4つになる。
■ 茎乳突孔を出てからの枝 ■ 顔面神経が茎乳突孔を出てからの枝(顔面神経管外の枝)は以下の2つになる。
⇒ 茎乳突孔を出てからの分岐が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅰ ⇒ 茎乳突孔を出てからの分岐が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅱ
■ 耳下腺神経叢からの枝 ■ ⇒「耳下腺神経叢から出る枝」の詳細ページ 顔面神経が耳下腺神経叢から出る枝(顔面枝)は以下の5つになる。
・ 顔面神経膝 geniculum of facial nerve : 神経線維がほぼ直角に曲がる部分で、内膝と外膝がある。 ・ 膝神経節 genicular ganglion :顔面神経膝(外膝)にある、知覚神経の細胞体が集まっている神経節。 ・ 大錐体神経管裂孔 hiatus for canal for greater petrosal nerve:側頭骨の 大錐体神経溝の後端にある裂孔で、骨内の顔面神経管に続いている裂孔のこと。 ・ 茎乳突孔 stylomastoid foramen :側頭骨の茎状突起の根部の直後、乳様突起との間にある孔のこと。 ・ 内耳道 tympanic cavity :側頭骨錐体の後面にある内耳孔から、外側方に約1㎝弱進み、内耳道底を持って終わる。 ・ 顔面神経管 facial nerve canal : 顔面神経の通路となるところ。顔面神経管入口(内耳道底)に始まって茎乳突孔(茎状突起の直後)に終わる。 ・ 鼓室 :外耳と内耳の間に位置する小腔 ・ 錐体鼓室裂 petrotympanic fissure : 側頭骨の 錐体部と鼓室部が接するところにある裂で、下顎窩の後縁にあたる。ここに鼓索神経小管が開き、鼓索神経を通している。
【イラストや写真を掲載しているサイト】 ・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅵ(各線維の走行が分かる模型図)
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