・概 要
 ・起 始
 ・経 過
 ・交 通
 ・参考となるサイト
 

 

 滑車神経は

  

 以下は滑車神経が神経系の中でどの位置にいるかを簡単に示した図となる。

 

 

 他の脳神経が脳の腹側より出ているのに対して、滑車神経は唯一脳の背側より脳を出る。純運動性神経で、眼筋の1つである上斜筋に分布し眼球の運動を司る神経の一つである。

 脳神経の一般的な分類の仕方として、「頭部の特殊感覚を支配する神経」、「体性運動神経」、そして「鰓弓(性)神経」の3種類があるが、滑車神経は上記でも述べているように純運動性の神経線維のみで構成されている。

   

 

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説文が見られる。

「中前頭回下部の錐体細胞からの線維(一次ニューロン)は、滑車神経核に入り、滑車神経核の細胞(二次ニューロン)と連絡する。滑車神経核は運動性で、中脳水道の底で動眼神経核のすぐ後方に位置する。滑車神経核からの線維は中心灰白層の外側をめぐって背方に走り、上髄帆内で滑車神経交叉を行った後、下丘のすぐ後ろで脳を出る。 」

  

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説文が見られる。

「中脳を出て大脳脚を回り脳底にいく。小脳テントの前端内側で脳硬膜を貫いて海綿静脈洞の上壁を走り、動眼神経の外側から上眼窩裂を通り眼窩内に入り、上斜筋に分布する。」

 

右眼窩(縦断面)

下丘周辺

右眼窩(縦断面)

右眼窩・後部

神経核(腹側面)

神経核(側面)

 

 「日本人体解剖学 (上巻) 」の交感神経の内頚動脈神経叢の解説には、内頚動脈神経叢が出す枝の1つとして「動眼/滑車/外転神経への交通枝」というものがある。しかし、滑車神経の解説の項には「内頚動脈神経叢と交通する」旨の解説は見られない。 ⇒ 内頚動脈神経叢から出る枝の一覧

 

 以下は「Wikipedia」の序文となる。

「The trochlear nerve,[help 1] also called the fourth cranial nerve or cranial nerve IV, is a motor nerve (a somatic efferent nerve) that innervates only a single muscle: the superior oblique muscle of the eye, which operates through the pulley-like trochlea.
The trochlear nerve is unique among the cranial nerves in several respects:

  1. It is the smallest nerve in terms of the number of axons it contains.
  2. It has the greatest intracranial length.
  3. It is the only cranial nerve that exits from the dorsal (rear) aspect of the brainstem.
  4. It innervates a muscle, Superior Oblique muscle, on the opposite side (contralateral) from its origin.」