横隔膜 ( おうかくまく、 英 : diaphragm )
・ 概 要
・ イラスト
・ 起始 / 停止
・ 作 用
・ 神経支配
・ 関連語句
( 右脚、 外側脚、 外側弓状靭帯、 胸肋三角、 左脚、 食道裂孔、 大静脈孔、
大動脈裂孔、 中間脚、 内側脚、 内側弓状靭帯、 腰肋三角 )
・ 通過するもの
・ 他の参考になるサイト
・ まとめ
胸腔と腹腔の境界となる膜状の筋で、ドーム状を呈し、以下の4部より構成される。
1 |
腰椎部 |
lumbar part 右脚と左脚よりなり、それぞれ内側脚と外側脚に分かれる。内側脚と外側脚の間を交感神経が走っている。 右脚と左脚は第1腰椎の上縁で交叉して大動脈裂孔を、そしてそのやや左より上方で食道裂孔を作る。この内側脚には裂け目があり、その間を大内臓神経、奇静脈(/半奇静脈)が通過している。裂け目の外側を中間脚と呼び、小内臓神経が走っている。 |
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2 |
肋骨部 |
costal part 第7~第12肋骨の内面(肋骨弓)を起始とする部分。 |
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3 |
胸骨部 |
sternal part |
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4 | 腱中心 |
central tendon ドーム状の横隔膜の中央部で、3つの部の停止部となっているところ。三つ葉型をして、色々な方向に走っている腱束でできている。腰椎部に近いところ(およそ第8胸椎の高さ)に大静脈孔が開いている。 |
【 イラスト 】
前方より |
斜め前方より |
下方より |
下肺より |
下方より |
後方より |
横断面 |
【 起始 / 停止 】
パートごとに起始部は異なるが、停止部は腱中心で共通となっている。
胸腔を広げ、呼吸の手助けをする。
・横隔神経(C3~C5)
※胸部に分類されるが、もともとは頚部の筋に由来するので頸神経によって支配されている。
1 |
右脚 |
腰椎部の一部で、脊柱よりも右側に位置する部分のこと。 |
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2 |
外側脚 |
腰椎部の一部で、外側に位置し、内側弓状靭帯と外側弓状靭帯を起始とする部分のこと。右脚の外側脚と左脚の外側脚の2つがある。 |
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3 |
外側弓状靭帯 |
第1(/2)腰椎の肋骨突起と第12肋骨尖端の間に張っている靭帯で、その下を腰方形筋が走っている。 |
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4 |
胸肋三角 |
肋骨部と胸骨部の間の筋束がない部分。上腹壁動/静脈とリンパ管が通っている。 ※右のイラスト正確性に欠ける可能性あり! ⇒ 詳細ページ |
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5 |
左脚 |
腰椎部の一部で、脊柱よりも左側に位置する部分のこと。 |
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6 |
食道裂孔 |
腰椎部の右脚と左脚が作る2つの裂孔のうちの一つで、食道と迷走神経が貫通している。 |
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7 |
大静脈孔 |
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8 |
大動脈裂孔 |
腰椎部の右脚と左脚が作る2つの裂孔のうちの一つで、右脚と左脚が第1腰椎の上縁で交叉してできる孔。下行大動脈と胸管が通っている。 |
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9 |
中間脚 |
以下、「日本人体解剖学 (上巻) 」の「横隔膜」からの引用文となる。 「内側脚には一つの裂け目があり、大内臓神経、奇静脈(または半奇静脈)が通る。この裂け目の外側を中間脚といい、小内臓神経が通る。」 (左脚だけにあるのであろうか…?) |
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10 |
内側脚 |
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11 |
内側弓状靭帯 |
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12 |
腰肋三角 |
外側弓状靭帯と肋骨部の間の筋束がない部分。 |
以下、横隔膜を通過する神経や循環器を「日本人体解剖学 (上巻) 」の「横隔膜」を参考にまとめてみたが、その全てを挙げているかどうかは不明。
1 |
循環器(静脈) |
腰椎部の内側脚の裂け目 |
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2 |
循環器(静脈) |
腰椎部の内側脚の裂け目 |
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3 |
循環器(静脈) |
肋骨部と胸骨部の間(胸肋三角、sternocostal triangle) |
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4 |
循環器(静脈) |
大動脈裂孔 |
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5 |
循環器(動脈) |
大動脈裂孔 |
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6 |
循環器(動脈) |
肋骨部と胸骨部の間(胸肋三角、sternocostal triangle) |
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7 |
循環器(リンパ系) |
大動脈裂孔 |
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8 |
循環器(リンパ系) |
肋骨部と胸骨部の間(胸肋三角、sternocostal triangle) |
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9 |
食道 |
消化器 |
食道裂孔 |
10 |
神経 |
腰椎部の内側脚と外側脚の間 |
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11 |
神経 |
食道裂孔 |
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12 |
神経 |
腰椎部の内側脚の裂け目 |
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13 |
小内臓神経 |
神経 |
腰椎部の内側脚の中間脚 |
14 |
横隔神経の枝 |
神経 |
大動脈裂孔 |