「 深在 ＋ 浅在 」： 顔面静脈は深在および浅在の静脈から静脈血を受ける。深在の静脈は翼突筋静脈叢を起始とし、浅在の静脈に合流する形を取る。
・ 顔面静脈は顔面動脈の分布域に一致する。（ ＝ 顔面静脈は顔面動脈の伴行静脈 ）
【 例 】
・ 眼窩内の上・下眼静脈の根部と吻合
・ 頭蓋内の海綿静脈洞と連絡
・ 鼻や上唇の近くでも深部の静脈と連絡
以下は「 日本人体解剖学 」の解説文となる。
「 深および浅在の静脈からなり、深在の静脈は翼突筋静脈叢に始まり、浅在の静脈に合流する。顔面静脈は顔面動脈の分布域に一致し、その経過は、内眼角あたりで眼角静脈と滑車上静脈が合流し、顔面動脈に伴行して顔面を斜め後下方に走って咬筋の前縁に至る。さらに下顎骨底を後ろへ曲がり顎下腺の外面を走り、下顎角の後側で下顎後静脈に合流する（外頚静脈、内頚静脈に直接注ぐこともある）。下顎角で顔面静脈と下顎後静脈とが合流して内頚静脈に入る短管を（総）顔面静脈というが、およそ半数例で見られる。 」
また、「 船戸和弥のHP 」では以下のように解説している。
「 顔面静脈は顔面動脈の分布域である顔面浅部からの静脈を集める。顔面静脈は内眼角から始まり（眼角静脈）、顔面動脈の後ろに沿って斜めに下方に走り、内・外頚動脈、舌下神経との浅側を後下方に向かい、舌骨の高さで内頚静脈または外頚静脈にそそぐ。顔面静脈は吻合に富み、また顔面の深部の静脈や頭蓋内の静脈（硬膜静脈洞）とも連絡している。たとえば、顔面静脈は内眼角の付近で、眼窩内の上眼静脈の根もと吻合し、さらに頭蓋腔内の顔面静脈洞（注）とも連絡する。また、鼻や上唇の近くでも深部の静脈と連絡する。」 注）顔面動脈洞とは海綿静脈洞のことだと思われる。
1 . 顔面静脈は眼窩上静脈と滑車上静脈が内眼角付近で合して始まる。
（ ※ ただし、しばらくは「 眼角静脈 」という名称で呼ばれる。このへんが少し紛らわしい。）
2 . 顔面動脈に伴行しえ顔面を斜め後下方に走る。
3 . 口角の高さあたりで（おそらく上唇静脈が注ぐ部位よりも上になると思われる）翼突筋静脈叢を起始とする
深顔面静脈を受け入れる。（ つまり、深在の静脈が浅在の静脈に注ぐ。 ）
4 . さらに後下方に走って咬筋の前縁に至る。
5 . 下顎底を後方に曲がって顎下腺の外側面を走る。
6 . 下顎角の後方で下顎後静脈が合流する。
（「 内・外頚動脈、舌下神経との浅側を後下方に向かい 」（ 船戸和弥のHP ））
※ 合流後の静脈は 総顔面静脈 と呼ばれるが、必ずしも合流するわけではなく、その確立は約50%。
7 . 舌骨の高さでで（船戸和也のHP）、内頸静脈または外頚静脈に注ぐ。
以下は顔面静脈に注ぐ静脈を簡単に表したものになる。
以下は「 Wikipedia 」の解説文となる。
「 The facial vein ( or anterior facial vein ) is a relatively large vein in the human face. It commences at the side of the root of the nose and is a direct continuation of the angular vein where it also receives a small nasal branch. It lies behind the facial artery and follows a less tortuous course. It receives blood from the external palatine vein before it either joins the anterior branch of the retromandibular vein to form the common facial vein, or drains directly into the internal jugular vein.
A common misconception states that the facial vein has no valves, but this has been contradicted by recent studies.[1]
Its walls are not so flaccid as most superficial veins.
【 Path 】
From its origin it runs obliquely downward and backward, beneath the zygomaticus major muscle and zygomatic head of the quadratus labii superioris, descends along the anterior border and then on the superficial surface of the masseter, crosses over the body of the mandible, and passes obliquely backward, beneath the platysma and cervical fascia, superficial to the submandibular gland, the digastricus and stylohyoideus muscles.」
【 語 句 】
・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ： ・ ：
|
